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伝伝虫通信バックナンバー 通巻17号
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アジアチャイルドサポートの最も重要な支援事業は、国際協力を通した日本の子供たちの健全育成。

アジアチャイルドサポートの最も大切な支援事業は「国際協力を通して日本の子供たちの健全育成」です。

これまで日本国内800校以上の学校で講演を行ってきました。話を聞いてくれた子供たちの数は30万人近くに上り、事務局には5万人以上の講演を聞いた感想文が届けられています。その内容を読んで見ると「自分たちが恵まれていることが本当にわかった。食べ物を粗末にしてはいけない。親に感謝する。一生懸命に生きて行きます」と90%以上の子どもが感想を語っています。

嬉しさの反面、愕然とする内容も多い。日本の子供たちの命に対する想いの軽さに不安を感じてしまいます。「手首を切ってみた。ロープで首を吊ったことがある。死にたいと思ったことが何度もある」など信じられない文章も多い。私の講演を聴いて「死ぬことを思いとどまった」と多くの子どもが語っています。私一人の力には限界があります。毎日、講演を続けたとしても年間300件が、やっとです。全国の子どもたちに話を聞いてもらうことは不可能です。

「懸命に生きる子どもたち」

「懸命に生きる子どもたち」と題した講演録を作成しました。私自身が撮影してきたアジアの子どもたちの一生懸命に生きている姿が映されてた写真をふんだんに使った本が完成しました。値段は500円ですが、アジアチャイルドサポートの日本の子供たちへの健全育成支援事業として全国の小中学校、高等学校へ無料で贈呈します。45分間の講演ビデオ及びDVDも一緒に、この本を贈ります。

貧しさの中でも必死に生きている子どもたちの姿は日本の子供たちに命の尊さや一生懸命に生きることの大切さをつ伝えてくれると確信しています。全国で5万校余りの学校に送ることは莫大な資金がかかりますが多くの有志や企業が賛同しています。「この本は必ず日本の子供たちの命を救う」と言ってくれます。「最も大切なボランティアは自分自身が一生懸命に生きること」の理念を日本の子供たちに訴えて行きます。

(池間 哲郎)

心温まるミャンマーの優しさに感謝して

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「ようこそ、黄金のパゴダの国へ」。空港からヤンゴンへ向かう途中にある歓迎の看板に、こう書かれていました。明るい太陽に輝くパゴダの姿は鮮烈な印象でした。

ミャンマーを訪れると、故郷にいる懐かしさを感じる優しさに出会いました。最初は、仏教徒と理解していましたが、しばらく滞在しているうちに、それは違っていることが次第に分かってきました。宗教とは関係なく、素朴な人たちの素直な接触の仕方であったのです。深い宗教心は、素朴な心を持つ人たちだからこそ生まれたことなのだと、気づかされました。日本人とよく似た顔つきを持つミャンマーの人たちがいて、豆腐や炒め物と出会うと、同じルーツを感じました。でもミャンマーには30を越える民族の人がいて、それぞれに固有の文化を大切に守っています。それらを一つにまとめているのが宗教であることも知りました。ミャンマーの仏教にヒンズーの教えやナッツ精霊信仰も取り込んで成立している理由もここにあると思います。宗教があって、優しい人たちがいて、心温まる優しさと出会えるミャンマーは、他のアジアとは違う新しい時間を感じさせてくれました。

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今回訪問させて頂いた、エーヤワーディ管区周辺の生活は、この川で排泄物から飲み水、風呂、洗濯(は今も石で叩きつけて洗う)など昔ながらの生活をしています。5月以降の雨季になるとこの川が数倍の広さに成り、地元の方でも川道に迷ってしまいます、そんな過酷な環境の中でも人々の笑顔が、まぶしいくらい輝き我々が来るのを村人の皆さんが両手を合わせて整列して待ってる姿に大きな感動を覚えました。船を下りると、村人の大行列の中案内され、学校建設予定地を案内されると、なんと建設業者以外の村人の皆さんが一致団結して学校建設を手伝っているのです。(地盤が弱い為、レンガを砕く作業を子どもと女性も手伝い)こんなにも、勉強の出来る場所を期待しているのか・・・現地訪問で強く感じました。(学校も200名予定の学校が隣町からも勉強したくてすぐに倍近く子供たちが集まるとのことです)

又、村人の皆さんがなけなしの金を使って一個一々レンガを積み上た場所もあり崩れ落ちる途中で建設を断念してた場所もありました。

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次の訪問先、マヤンチャウン村へ訪れるとハンセン病の皆さんの笑顔たっぷりの出迎え、そして今回5名の皆様が手術を受け歩けるようになったと、大喜びで現在の心境を語ってくれた皆様と共に喜びを分かち合いました、その後、医療支援で同行下さった久高先生の診療では、たくさんの皆さんが診てもらいたい為、目をギラギラさせ心待ちに待っていました。又、現地で出来る医療の仕方を教わる方々は、一人一人丁寧に治療指導を受け一生懸命でした。そしてこの村人の皆さんの優しさと笑顔はハンディキャップを持っているようにはまったく見えないくらい個々がしっかりと支え合っている姿に我々は、感動と勇気を貰いました。そんな優しいミャンマーの人々との出会いの中から人間としての大事な人を思いやる素朴な心を教えてもらい、物の大切さ(車など20~40年前の車が大事に使われている)自然の大切さ(町並みでもたくさんの木々に囲まれ緑との共生がある)人間としての原点(人を思いやる心がしっかりと根づいている)を気づかされました。

今のミャンマーは、軍事政権の中、大変なこともたくさんあると思いますが、人々の大事なこころがしっかり根づいている限り、人間としての大事なこころという財産がいきいき一人一々に輝いています。今後のミャンマーの発展を心から祈り報告とさせていただきます。 感謝

(アジアチャイルドサポート 玉木 馨)

遠くの国からお医者様がやって来た!

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H18年12月28日、5ヶ月ぶりにミャンマーのマヤンチャウン村へ視察に行って参りました。

今回の大きな目的のひとつは、日本から外科のドクターをお連れして、何十年も治らない傷を抱えている方々を診察して頂き、日本の“最新の傷の治療法”を伝授してもらうことでした。

さっそく、施設の人々に、那覇市立病院の久高先生を紹介すると、人々は大喜びで迎えてくれました。

先生が“見てもらいたい人はどうぞ遠慮なく申し出てください”とおっしゃると、10人以上の人が名乗りを上げました。皆、目の輝きが違うのです!“先生診てください!”久高先生は、処置を担当している現地の人にも指導しながら、何時間もかけて丁寧に手当をなさいました。

日本なら、もし怪我をしたら、蛇口をひねり、綺麗な消毒された水で傷口を洗うことができる。ひどければ、病院に行って治療を受け、清潔な環境の中、柔らかなお布団でゆっくり体を休めることができます。でも、この村ではそうはいきまん。まず、病院選び。どの病院でも診てくれるわけではありません。特に、元ハンセン病患者の皆さんが病院に行く時には、ハンセン病に対するひどい偏見と差別のため、病院スタッフでさえ嫌がらせをしたりすることもあるので、精神的なストレスが非常に大きいのです。PHOP005次に、交通手段。ある程度設備の整った大きな病院に行くには、丸一日ががりです。ハンセン病の後遺症のために難治性の傷を持つ体力の弱っている人には、肉体的・時間的にも大変な労力が必要で、一人で行くことができません。また、診察は無料ですが、高額の手術費や薬品代、介護・食事代、そして莫大な交通費がかかります。この施設の人々にとって、病院に通うということは本当に大変なのです。だから、ACSが医療支援を始めるまで、病院に通えない人は、民間療法に頼るか、諦めざる得ないのが実情でした。1990年代当時、マヤンチャウンの森に強制移住させられた人々の中には、治らない傷のある腕や足の痛みに耐え切れず、仲間内で切り落としたため傷口が感染症を起こし、命を落とした人も大勢おられるとのことでした。

そんな中・・・。皆さん、久高先生が教えてくださった、日本の“最新の処置方法”って、どんなものだと思いますか?なんと、簡単にいいますと、
①沸騰消毒した井戸水で傷をきれいに洗い流し、脱脂綿で水分を取り除く。
②オムツ(高分子吸水ポリマーを使用しているほうが良い)の防水ビニールだけを取り除いたものを傷にあてる。
③針などで孔を開けたラップフィルムでカバーしてテープでふちを閉じる。
PHOP006これだけなのです!これを、毎日、根気強く繰り返せば、今まで切断するしか方法がないと考えられていた人の傷でさえ、時間をかければ治ると、先生は教えてくださいました。必要物品は日本でなら、全てスーパーなどで簡単に入手できるものばかりです。探すのに少し苦労しましたが、現地のスーパーでも何とか買い求めることができました。消毒液も、特別な薬もいりません。もう、辛い思いをして遠い病院に行かなくても、命を懸けて腕を切り落とす必要も無いのです。施設の皆さんの何ともいえない嬉しそうな表情が印象的でした。

先日、処置は欠かさず、毎日続けていると報告がありました。久高先生、どうもありがとうございました。そして、これからもよろしくお願い致します。また、いつもACSを温かく支えてくださっている皆さん、どうもありがとうございます。これからも、どうか、ご理解・ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

(池間 理恵)

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