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伝伝虫通信バックナンバー 通巻21号
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ミャンマーサイクロン、ナルギスの被災者へ緊急援助開始しました。

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2008年4月27日にベンガル湾で発生したサイクロン『ナルギス』は2008年5月2日にエヤーワディー管区デルタ地帯に上陸し、ヤンゴン管区にかけて通過し、甚大な被害をもたらしました。最大風速54~59m/秒前後(JWTC・・米軍合同台風警報センター推定データ参照)と非常に大型のサイクロンによって、アジアチャイルドサポート(以下ACS)が井戸や学校建設を行っている地域は、非常に深刻な状況に陥っています。

被害と支援の状況

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この地域は旧首都のヤンゴンから西へ車で5時間ほど行ったところにあり、アンダマン海に面する海抜0メートルのデルタ地帯です。住民の多くは竹と椰子の葉で出来た住居に暮らしていますが、5~6mを越える海水が津波のように押し寄せてきて、何もかも押し流したそうです。家々の90%以上が破壊され、人も家畜も皆、流されました。生き残った人々は住む家も無く、水、食料もない状況に追い込まれています。2008年5月9日現在、5千平方メートル以上の広大な地域が泥水に浸かり、死者・行方不明者の数だけでも6万人とも10万人ともいわれ、被災地域の住民数は少なくとも470万人以上といわれています。

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ACSの現地スタッフは、自宅が一部損壊したのも省みず、5月10日、これまでACSが井戸や学校を建設してきた地域に赴き、支援をスタートさせました。しかし、道路が寸断され、障害物もたくさんあるため、現地に到達するのは、簡単ではありません。ヤンゴンから、車で3時間ほど行った、一番近い村々を回るのがやっとだったそうです。生きるのに必要なお米や、そば(簡単に調理できるタイプ)と、衣類、毛布(夜は気温が下がり、体温を奪います)などを提供してきました。5月15日には、2回目の支援に別の4つの村へ赴きました。その村々は、被害にあってからACSの職員がやってくるまで、まったく支援物資などが届けられておらず、米やそば、それを調理する鍋、衣類、毛布などを渡すと非常に感謝されました。14日付けの現地の雑誌によると、この付近の地域だけで死者7千名、行方不明2万人といわれているそうです。5月16日夜、ミャンマー政府は、死者数を7万7千738名、行方不明者5万5千917名と発表しました。急激な増加理由は「悪天候などで確認が困難だったため」としています。

ACSが建設した学校と井戸が・・・!!

今までACSが建設したきたレンガ造りの学校校舎が、なんと無事でした。一部被害があったとのことですが、(4校は屋根が破壊、1校で窓ガラスが割れ、2校でドアが破壊)避難センターとして使われ、人々は校舎で過ごしています。これらの学校で住民の皆さんは非常に助かっているとの報告です。

また、被災地の中心であるエヤーワディー管区において、ACSは、これまで300基以上の井戸を建設してきました。それにより、少なくとも16万人の命が支えられております。

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今回のサイクロンで5千平方メートル以上が泥水に浸かっているこの地域では、そこら中に遺体や家畜などの死骸が散乱しており、衛生状況が非常に悪く、感染症などが懸念されております。ところが、幸いにしてACSの井戸の殆んどが生き残り、きれいな水が出ているとのことでした!これらの井戸の前には安全な飲み水を求めて村人達が行列をなしているとのことじした!

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