児童労働とは・・・概ね15才未満の子どもたちが、十分な教育や成長の機会を与えられずに働くことをいいます。また、18才未満の子どもが心身の健康、安全、道徳を害するおそれのある労働に従事している場合は「最悪の形態の児童労働」といいます。
ミャンマーのエアワディー管区は国内でも有名な米の産地で7月になると田植えの時期に入り、みんな大忙しです。
村々の井戸の調査をしている時に大人に混じって水田で働く少女と出あった。真昼の気温は35度近くある。ギラギラと照りつける太陽の下で少女は黙々と働いていた。ジッと立っているだけでも汗がふきだしてくる、ムッとするような暑さの中を全身泥にまみれになり作業を続けている。片手に稲の束を持ち、もう一方の手には先が二股に分かれた鉄の棒を持つ。棒の先に稲の根元を挟み、それを水田に押し込み稲を植えつける。日本とは違う田植えのやり方を感心しながら見ていた。
「オーイ」と少女に声をかけると一瞬、作業の手を止めてキョトンとした表情で私を見た。カメラを見ると手を顔の前にかざし恥ずかしそうにうつむいた。それから照れくさそうな微笑みを返してくれた。少女は日本で言えば小学校の5年生か6年生ぐらいです。学校は、どうしたのだろうと気になり聞いてみると、この時期には学校には行かないとのことです。親の手伝いのために朝から田んぼに入り仕事をする。夜明けから日が落ちるまで10時間以上も働き続けることも珍しくは無いと
ミャンマーの田舎に暮らす人々の、殆どは農業で暮らしています。そのような地域では子どもたちも貴重な働き手です。親と子どもが一緒に働いて作物を育て、共に生きていきます。子どもであろうとも仕事に対する責任は重大です。甘える態度は決して許しません。
2008年5月の初めにミャンマーのエヤワディー管区の村々は大型サイクロンに襲われ壊滅的な打撃を受けました。多くの水田が海水に浸かってしまい稲は全滅状態。米の収穫も絶望的な状況に陥りました。海水が入ってしまった水田は当分の間は使い物になりません。この地域に暮らす人々の食料の確保は、これから数年間は大変な状況になることは間違いありません。水田で働いていた子どもたちの状況を思うと胸が痛くなります。
2008年5月2日にミャンマーへ上陸した、非常に大型のサイクロン「ナルギス」被害から約4ヶ月余が過ぎようとしています。日本の皆様のおかげで、現地へ10,500,000円(7月10日現在)の支援をすることが出来ました。誠に有難うございます。
被災後、ミャンマーではようやくいくつかの支援団体の援助が受け入れられ、政府の援助も行われるようになっていますが、甚大な被害を受けたマウビン地区及び周辺地域の村人達は、自宅を修理し、生活を再建するのに精一杯です。
もともとミャンマーの農村地域では、村民がお金を出し合って学校を建設してはじめて、国から教師が派遣される制度になっているのですが、この状況では倒壊した学校を再建する目途は全く立たない状況です。
マウビン地区では、サイクロンによって住む家や親兄弟を奪われ、心に大きな傷を負い、恐怖に怯えながら生活している子どもが今でも大勢います。彼らの心の傷を癒し、村に笑顔を取り戻すための"仲間との心の触れあいの場"として、出来るだけ早期に学校再建・授業再開が非常に重要と考え、アジアチャイルドサポートは仮説校舎の建設事業に取り組んでおります。
仮説校舎の柱と壁は竹で作り、屋根にはビニールシートをかぶせ、床は地面を直してそのまま使います。現在、20校の仮設校舎が完成し、何とか新学期を始めることができました。家庭が貧しく小学校の制服を買うことが出来ない子どもたちに対して制服を援助することも出来ました。
村の子どもたちは、「日本の皆さんのおかげでまた勉強出来るようになった」と大喜び。一日も早く、子どもたちが安心して勉強できるようになることを願っています。