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伝伝虫通信バックナンバー 通巻34号 ①
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世界中で児童労働に従事している子どもたちは、約2億1,800万人

児童労働とは・・・概ね15才未満の子どもたちが、十分な教育や成長の機会を与えられずに働くことをいいます。また、18才未満の子どもが心身の健康、安全、道徳を害するおそれのある労働に従事している場合は「最悪の形態の児童労働」といいます。

働く子どもたち エピソード17 「私の仕事」

ネパール レンガ工場の少女達

カンボジア、ミャンマー、ネパール等の途上国で暮らす子ども達の働く姿を数多く見て来た。泥だらけになり汗を流して働く彼らの姿は感動的でさえ有る。

貧しさのため、親の仕事を手伝うために学校に行けない子ども達もイッパイ居ます。「女の子には教育は必要ない。結婚して子どもを産み、家事と農作業さえ出来ればイイ」と学校に行かせてもらえない少女達も多い。

学校で勉強している子ども達も家に帰って来ても遊ぶ暇はありません。炊事、洗濯、掃除、水汲み、畑仕事、マキ拾いなど多くの仕事がまっているからです。これまで支援事業を行って来た、どの国でも子ども達は働いていました。お父さん、お母さんは子どもが5歳ぐらいになったら、「責任を持った仕事」を与えます。だから子ども達には「お手伝い」という言葉は有りません。「私の仕事」とはっきり言います。

ネパール 料理をする少年

日本においては、ほとんどの子ども達がお母さんの手伝いをしません。勉強、部活、遊ぶことが子どものやることだと思っていますが、これは世界的に見てもおかしい。子どもにも仕事や家事労働等の役割を与えるのが世界の常識です。

アジアチャイルドサポートの奨学生がスリランカ代表として来日

2012年 文部科学省委託事業「アジアの架け橋 沖縄スリランカプロジェクト」~「命と平和」未来へ~<貧困家庭を対象に奨学金支援事業>

ダムンドゥ・シェハーン君(15歳)

2012年9月5日、奨学金の対象者であるダムンドゥ・シェハーン君(15歳)が、文部科学省の委託事業「アジアの架け橋 沖縄スリランカプロジェクト」のスリランカ代表チームのリーダーとして来日しました。

戦争の歴史、海に囲まれた島、特色ある芸能や文化、温暖な気候に恵まれた生活様式など、スリランカと沖縄は共通する環境や文化を持っています。

このプロジェクトの目的は、両国の中学生が「命の平和」を育んできた歴史や文化を語り合い、学び合い未来へつなぐアジアの架け橋として国際的に活躍できる青少年を育成するために立ち上げられました。

リーダーの中のリーダーに選ばれる

沖縄スリランカ友好協会の協力のもと、スリランカ各地の公立の中学校から推薦された子どもたちをスリランカ文部省が審査・面接を行い選出された20名が日本に招かれました。ダムンドゥ君はそのリーダーに選ばれたのです。「奨学金は、本を買ったり、ノート、鉛筆、学校での支払いに使っている。できるだけ考えて大事に使っている。好きな科目は商業、将来は銀行のマネージャーになりたい。僕に勉強できる環境を与えてくれた日本のみなさんに感謝しています。恩返しは必ずします」キリっとした表情の中に強い信念が伝わってきました。

沖縄で学んだ平和を広げていく

ダムンドゥ君は「私の国では26年間も内戦が続きました。沖縄でも戦争があったと知りました。資料館やホームスティで平和がどれほど大切なのか、命の尊さを教えてもらいました。帰ったら沖縄で学んだ平和を広げる活動をしていきたい」と話す。国と国との交流も確かに重要です。しかし一人ひとりが直接交流し、相手を尊重し、理解しあうことも真の平和につながっていきます。混迷する国際社会の中で将来、日本が苦しい立場になったときに日本を救う貴重な人材になることを期待します。

スリランカ代表チーム
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