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伝伝虫通信バックナンバー 通巻39号 ①
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甚大な被害を受けた益城町の住宅街

平成28年4月14日木曜日午後9時26分頃、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード6.5、最大と震度7の地震が発生。その後、震度6以上の余震が相次ぐ中、2日後の午前1時25分頃には、後の発表で本震とされるマグニチュード7.3、最大震度7の地震が熊本県阿蘇地方から大分県西部にかけた地域を襲いました。49名の方が犠牲となられ、行方不明者1名、全壊半壊など被害を受けた家屋は、12万2千棟以上にものぼります。(熊本県災害対策本部6月1日発表)特に、甚大な被害を受けた益城町と南阿蘇村では、建物が倒壊し、道路やライフラインが寸断され、多くの人が避難生活を余儀なくされました。

被災しながらも・・・

崩壊した道路
崩壊した道路

益城町のとなり菊陽町に暮らす埜口さんは、被災直後からボランティアとして避難所で懸命に動いています。ご自身の住まいは、倒壊こそ免れたものの、タンスなどの家具や家電の全てが壊れ、軽トラック3台分のガレキとなってしまいました。

2日目に襲った地震では、前後左右に振り回すような激しい揺れが10分以上も続き、益城町に住む両親の家は大きな損傷を受けました。家族と両親を連れて避難所に行き、自分は車中泊をするという避難生活が始まりました。容赦なく続く余震で、なかなか寝付く事も出来ず、疲弊するなか、なんとか家の中にあるガレキの片付けを終え、中に入れたのは地震から1週間が経過してからでした。それでも被災した他の人たちのため、今も日々奔走しています。

「決して負けない」

ビニールハウスで避難生活

メロンの生産量が全国3位の熊本県では、ちょうど出荷の最盛期と重なってしまいました。

メロン農家の髙木さんは、生活に直結する出荷を止める訳にはいかないと、避難所には入らず、地震直後から出荷作業を続けました。自宅はかろうじて原型を留めているものの、屋根は壊れかけ階段は崩壊してしまいました。家の中はめちゃくちゃな状態になり住める状況ではありません。それでも防寒シートを被せたビニールハウスで、避難生活を続けながら、完熟したメロンを収穫し、1個1個丁寧に出荷のための箱詰めを行っています。決して負けない。絶対に泣かないと、全てのメロンを出荷するために畑へと向かいます。

地震直後の、自衛隊や消防の皆さんなどが行なう人命救助作業、道路の復旧といった初動の妨げにならないよう、アジアチャイルドサポートは、震災後の4月24日、被災地に入り、必要とされる場所や物資の調査、支援活動を開始しました。

メロンの出荷作業
メロンの出荷作業

日々刻々と変化する状況

補修された道路

益城町に在る民間の宿泊施設ホテルエミナースでは、60歳以上の方々300名を建物内に受け入れ、駐車場には車中泊をする1,000名以上の方々が避難生活をしていました。非指定避難所だったため、町内会の婦人部の方や消防団の皆さんが、朝夕2回の炊き出しや物資の受け入れ配布などを頑張っておられました。雨が降り日中の気温も上がらず寒さの残る日が続いたため、非常用備蓄難燃毛布を届け、野菜ジースなどの飲料や食料を支援しました。

栄養補助食品などの食糧物資を届けた指定避難所の広安西小学校では、「水道復旧の目途が立たないので、入浴することができない。せめて肌着だけでも着替えることができれば」との声を聞き、年齢性別ごとのサイズを揃えた肌着を届けました。日々刻々と変わる状況のなか、被災された方々や行政の方々の声を聞き、今必要とされる物資の確認をしながら、支援を行ないました。

物流が滞った熊本市圏内だけでは、調達が困難な物資や数量を確保できない品は、隣の宮崎県などに行き調達し、何度も往復して届けました。

支援物資を届ける
支援物資を届ける

子どもたちのちから

物資を受け取ることを遠慮する方や、足腰が不自由で受け取りに来ることが出来ない高齢の方々のために、子どもたちが立ち上がりました。

小学生から高校生の子どもたちが、誰に言われるでもなく、届けられた物資を一人ひとりに配布してまわります。遠慮して受け取らなかった方々も、子どもたちが笑顔で手渡すと、喜んで受け取ってくれました。

害虫忌避剤(虫よけパックン)を配布する高校生
害虫忌避剤(虫よけパックン)を配布する高校生

「やっと足を伸ばして眠ることができる」

車中泊をする車で埋め尽くされた駐車場
車中泊をする車で埋め尽くされた駐車場

避難所に入ることができず、自宅の駐車場などで車中泊をしている益城町東無田地区のみなさんに、テントセット、寝袋を届けました。

足を伸ばすことの出来ない狭い車内での避難生活が続き、体調を崩される方やエコノミークラス症候群の症状が出始めている方々からは、「やっと足を伸ばして眠ることができる」「これで楽に眠れる」とても有難い」と喜んで頂きました。お届けしたテントの設営は、地元の消防団員やボランティアのみなさんに協力して頂きました。一張り設営するにも時間を要する作業ですが、少しでも早く足を伸ばして欲しいと、汗だくになりながら、全てのテントを設営してくれました。

被災地では、決して負けないと前を向き、震災後も変わらない日常と懸命に向き合う方々が居ました。支えが必要な人のために、立ち上がる子どもたちも居ました。苦しい時こそ辛い時こそ、助け合い支え合うことが大切だと教えて頂きました。

支援したテントセット。雨対策も施しています。
支援したテントセット。雨対策も施しています。

熊本地震への緊急支援に対し、数多くの皆さまよりご協力頂きました。心より感謝申し上げます。認定NPO法人アジアチャイルドサポートは、熊本地震で被災された皆さまが一日でも早く安心して暮らせるよう、長期的な支援をすすめて参ります。今後ともより一層のお力添えを賜りますよう心よりお願い申し上げます。

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