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伝伝虫通信バックナンバー 通巻42号 ③
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皆様の温かいご支援によって支えられています。-平成28年度の主な活動紹介-

給食支援が教育支援へ! マハンカール小中学校

7年目を迎えて

カーストの習慣が今も根強く残るネパールでは、低い身分の人々の暮らしは特に苦しく、小さな子どもでさえも家族の働き手の一人とみなされ、学校に通えない子も少なくありません。特に女の子は、出産し、家事さえできればよいのだから教育は必直ないと考える人もまだ数多くいます。結婚の際に、男性側から高額な嫁入り道具を要求されるという習慣もあり、なおさら教育にお金をかける余裕がないのです。

カール地区はほとんどが農家で米やトウモロコシ、ジャガイモを栽培していますが、畑が小さく、白分たちが食べる分を作るのがやっと。農業の合間に建築関係などの日雇い労働をして得られる現金収入も僅かで、ギリギリの生活をしています。

貧しさゆえに教育が軽んじられている中で、どうすれば子どもたちを通学させてくれるのか試行錯誤し、2010年にマハンカール小中学校で給食支援をはじめました。

現地で比較的手に入りやすく栄養価の高い豆類を中心とした献立の給食を週6日実施し、今年で7年目を迎えました。子どもたちの栄養不良も改善され、出席率も90%近くまで上がりました。今では、保護者の方々からも広く認められ、調理ボランティアなどの積極的な協力も得られるようになりました。

先生方の教える意欲も高まり、通常の授業だけでなく、地域の弁論大会で優勝する生徒も出てきており、高校進学を希望する生徒も増えてきています。

給食時間の子どもたち
給食時間の子どもたち

卒業生が教壇に立つ

アーシカ・タマングさんは、2012年に同校を卒業し、今年の4月から、臨時教諭として教壇に立っています。

彼女が中学2年生の時、アジアチャイルドサポートの給食支援がはじまりました。給食が出るということで積極的に学校に通うようになり、だんだんと勉強への興味が湧いてきました。そしてその頃から学校の先生になることを夢に持ち、上級高校へと進学。歩いて片道1時間以上かかる道のりも、先生になるために休むことなく毎日通い勉強に励んだそうです。今年の3月に上級高校を卒業し、臨時教諭として赴任。1~5年生に、国語や英語、数学などを教えながら、アーシカ先生自身も本採用試験に向け勉強しています。「上手く教えることが出来ているのか悩みながらではありますが、子どもたちが将来立派な大人になることを願い頑張っています」と話してくれました。

アーシカ・タマング先生
アーシカ・タマング先生